「海外データ通信の手引き」-その1(基本編)
~スマートホン・高速データ通信の時代
(このブログ投稿は、東京海外旅行研究会会報に連載したものを手直ししたものです)
(このブログ投稿は、東京海外旅行研究会会報に連載したものを手直ししたものです)
海外へ出かけていて、格安にデータ通信できるノウハウ、少しでもお役に立てればと連載させて頂きます。スマートホンや高機能携帯の活用に焦点をあててみます。
1.データ通信の変遷(通信回線・機器)
通信機器も、チャンドラと呼ばれたミニノートPC全盛時代もありましたが、今や、パソコンと携帯電話を融合したスマートホンが登場し、主役が変わりつつあります。
スマートホンや高機能の携帯電話の普及で、海外で、空港・列車の中など移動中も含め、旅行者が、気軽に、データ通信ができるようになっています。またレストランやカッフェでは、WiFiサービスを提供している所も多く、Wi-Fi機能のみのタブレットでも、データ通信が可能になっています。パソコンがなければ、WEBチェック、メール、SNSの送受信などができない時代は終焉してきています。
♪♪ SIMフリー/GALAXY Note Ⅱ香港版♪♪ |
海外でのデータ通信は、通信回線と通信機器をどうマッチングさせるかがポイントです。
■■■■ 通信回線 ■■■■
主なものは携帯電話の高速回線を使うサービス、光回線やADSL回線、人工衛星などを使うサービス、Wi-Fiサービスなどがあります。
① 携帯電話の高速回線を使うサービス
❖スマートホンや携帯電話など、普段日本で使っている機種を持ち出し、国際ローミングする方法。(ドコモの場合、「海外パケホーダイ」で20万パケットまで1日1,980円。最大2,980円)
❖海外のSIMフリー機種を購入し、それに、海外のSIMを使う方法。
❖そして、最近は、ドコモやソフトバンクは、SIMロック解除を認めており、海外SIMカードを挿して、データ通信を行う方法。(ドコモの場合、手数料3,150円)
❖業務用が中心ですが、Wi-Fiルータを日本でレンタルして現地で使う方法。これも、現地では、携帯電話の高速回線を使います。
これらは、携帯電話の高速回線を使うサービスで、これから旅行者がメインに使うサービスになってくると思います。
② 光回線やADSL回線を使うサービス
❖海外のホテル、空港、ラウンジでは、有線LAN、無線LANをサポートし、有料・無料のサービスが有りますから、これを活用する方法。
❖また、レストランやカッフェのWiFiサービスも広がっており、マックなどのサービスが典型です。こちらも、光回線などを使い、WiFiルータで無線LANに変換し、サービスを提供、これを活用する方法。
❖インターネットカフェなど使う方法、有料サービスです。Windows7の登場で、日本語入力も簡単になっているようです。
これらのサービスはこれまで旅行者が主に使ってきたサービスではないかと思います。
③ 人工衛星などの回線を使うサービス
❖航空機や船の中で、有償でWiFiサービスが提供されています。
❖航空会社では、LH、TK、JLなど幾つかの航空会社が提供。クルーズ船なども同様のサービスを行っていますので、これを活用する方法。
これも、コスト面はありますが、これからサービスが広がる分野ではないかと思います。
■■■■ 通信機器 ■■■■
① 多様化の流れ
❖こちらの方は多様化して回線以上に難しいです。定番は、ノートPCです。しかし、最初にもふれましたが、携帯電話の高機能化→スマートホンの登場→タブレット化の流れの中で、融合というか、棲み分けが難しくなってきています。
最近、ノートPCではなく、iPhoneやアンドロイドなどのスマートホン、iPadなどのタブレットを持って、海外へ出かける旅人が増え、また、WiFiルーター、USBモデムを使い、インターネット接続をされる方も増えています。
② ノートPCまたはタブレット/スマートホン/携帯など~使いわけをどうするか?
❖ノートPCは、有線・無線LANのどちらにも対応しているのが普通です。一部機種はモデム付きもあります。キーボードが有り、文書作成、画像やデータ編集など、マルチ機能を使う場合便利です。最近、ウルトラブックも登場していますが、大きいのと重いのがマイナスです。一番つぶしがききますから、迷うなら、ノートPC持参がお薦めです。
❖タブレット/スマートホン/携帯は、軽くて、持ち運びに便利ということで、旅行者には使い勝手が良いのが特徴です。CPUの性能は、ノートPCに較べて落ちますが、WEBチェック、メール、SNSの送受信程度なら、ノートPCの代用に十分なります。有線LANは使えませんが、電話機能、データ通信がこれ一つでできる魅力があります。
❖また、WiFiルーター、USBモデムを活用して、ノートPC、タブレット、iPodなどの
WiFi接続機器を複数活用される方も増えています。
❖また、WiFiルーター、USBモデムを活用して、ノートPC、タブレット、iPodなどの
WiFi接続機器を複数活用される方も増えています。
3. iPad/iPhone/アンドロイドスマホとは~これからの主
役は?
役は?
iPad、iPhone、アンドロイドなどは、携帯電話の機能を高度化しただけでなく、PCの機能を取り入れています。通信回線は、携帯電話の回線を使い、音声通話と共に、高速データ通信ができます。また、WiFi機能も搭載されていますので、無線LANのサービスも使えます。
携帯電話の回線は、GSM・GPRSなどの2G回線、W-CDMA などの3G回線、LTEなどの3.5G回線があります。日本は、3G回線(ドコモならFOMA)メインで、LTEなどの3.5G回線へ移行しつつあります。
しかし、海外の場合、まだ2G回線がメインの国が多く、ヨーロッパや東南アジア主要都市を中心に、3G回線へ移行・拡大しつつあります。
データ通信は、2G回線のGPRSでも可能ですが、128Kbps程度しか通信速度がでません。
iPhone、アンドロイドなど、高機能スマートホン・携帯電話は、2G回線 にも対応しますが、7Mbps~1Mbps程度の高速データ通信が可能なW-CDMA の3G回線に対応しています。
SIMフリーの機種であれば、海外の3G対応のデータ・音声SIMカードを挿せば、海外で気軽にデータ通信が可能となります。
② どんな機種を選ぶか
❖3G+ WiFi対応、SIMフリーのiPad、iPhoneは、W-CDMA の3G回線の場合、マルチ周波数に対応していて、世界中のプリペイドSIMカードが使えますから、便利です。スマートホンの中では、CPUも高速、デュアルコアです。ただ、SIMフリーものは、ソフトバンク、AUとも正規ではありませんから・・・
❖アンドロイド/高機能携帯などは、日本で契約している場合も、SIMロック解除が可能な機種が有ります。(docomoもほぼロック解除OK)この場合、ロック解除せず、パケホーダイなどの国際データローミングを契約して使うか、ドコモやソフトバンクなど行って、SIMロックを解除して貰うか、どちらかの選択になります。
❖第三の道は、iPad、iPhone 、アンドロイドのSIMフリー機種を手に入れ、それを海外で使う方法があります。香港あたりから個人輸入をするか、日本の業者も販売していますから、それを購入すれば簡単に手にはいります。
❖ W-CDMA の3G回線を使って、高速データ通信で行う場合、SIMフリーに加え、周波数に対応した機種であることが必要です。また、最近は、第四世代のLTE対応の機種も増えていますが、海外のプリペイド回線で、LTEを使える国はまだ少数です。
❖SIMカードには、ポストペイド(契約が必要)とプリペイド(契約不要で使い捨て可)の2種類があります。旅行者が使うのは、プリペイドSIMカードがほとんどです。
❖プリペイドの場合、音声+データ通信、音声のみ、データ通信の3種類が売られています。
❖データ通信の場合、2Gのみ、3Gにも対応するSIMカードがあり、高速データ通信をサポートしたものを選ぶ必要があります。
❖また料金プランのチェックが必要です。特に、データ通信料金の設定、「1日定額パス」などお得なプランがあるかどうかなどです。
❖プリペイドSIMカードを使う場合、アクティベーション(開通作業)が必要です。これは現地で購入した時に、同時にやって貰えることが多いです。
❖更に、データ通信をする場合、「APN設定」が必ず必要です、SIMカードによっては、自動設定機能もありますが、大体は、自分で設定する必要があります。設定項目は主に「APN」「ユーザー名」「パスワード」の3つですが、この辺の詳細は、次稿で記載します。
② どこでSIMカードを買うのか?
❖現地に到着して購入する場合、空港・鉄道駅に設置されている携帯電話会社のSHOP、キオスク、コンビニなどが考えられます。なければ、市内にある携帯電話会社の営業所か形態SHOPなどで購入することになります。
❖日本で購入する方法もあります。ヨーロッパ、アジアの主要国SIMカードの場合、輸入販売している業者がいます。ただ、データ通信対応のものは限られることや、割高だというのは難点ですが、事前に手に入ります。
♪♪ チェコ~VodafoneのプリペイドSIMカード♪♪ |
iPodやWiFi対応のみのタブレットを持って海外へ行く場合、WiFiサービスが不可欠です。そこで便利なのは、WiFiルータやUSBモデムです。
WiFiルータやUSBモデムは、SIMフリーのものが日本でも購入可能です。ミドルレンジのもので、5千円~8千円程度で手に入ります。海外で、これに現地SIMカードを挿せば、WiFi機能が使えるようになります。USBモデムの場合、直接、ノートPCに挿しこんで使うのが基本ですが、WiFiルータの機能も併せて持っているものもあります。
更に、WiFiルータの海外レンタルは、1日480円程度からあり、複数台接続可能です。ですから、ノートPCやタブレット、スマートホンなどをまとめてWiFi接続も可能です。
更に、WiFiルータの海外レンタルは、1日480円程度からあり、複数台接続可能です。ですから、ノートPCやタブレット、スマートホンなどをまとめてWiFi接続も可能です。
また、スマートホン・高機能携帯電話に、WiFiルータの機能を持たせることができます。それが「デザリング機能」です。
スマートホンなどに、プリペイドSIMカードを挿して、「デザリング機能」を使い、ノートPCをネットに接続することができます。複数台接続可能で、データ定額サービスなどが使えればこちらの方がお得です。「デザリング機能」の使い方も、次稿で説明します。
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